●西方見聞録其乃弐拾壱: 最終章 : ソウル・ダイエット!
October 13, 2005
我が人生史上最強といっても過言ではないモーレツな二日酔いによる壊滅的打撃と共に目覚めた9月26日、西半球で迎える最期の朝。最期の数日間お世話になった旧友Chrisに御礼を言ってナシオン駅まで歩いて行きメトロに乗りましたが、丁度出勤途中のパリジャンにもみくちゃにされるという凄まじいラッシュに巻き込まれてしまいました。しかも口の中は胃液で酸っぱく(Pardon食事中の貴兄!)嘔吐感は電車が揺れるごとに強まる一方。しかし朝の満員電車で吐いたりしたら一生自分を許せなくなる!と全身全霊を込めて耐え難きを耐え、忍び難きを忍びました。
シャルル・ド・ゴール空港に向かう途中、アコーディオン弾きが電車に乗って来て巴里情緒溢れるシャンソンの流麗なフレーズを奏でてはいるもののこちらはホント孤独な闘いの真っただ中、とてもお金をあげるどころの騒ぎでは御座いません!また皆様も御存知の通り仏蘭西が世界に誇っていたスペイシーでかっこいい新空港ターミナル(僕も数年前に行きましたがそのデザインの秀逸さにブッ飛んだ思ひ出あり)は昨年打ちっぱなしの天井が崩落して死者まででるという大惨事で閉鎖。その為か今ではターミナルに行くのにシャルル・ド・ゴール空港ターミナル駅からバスに乗り換えなければならないという始末。しかも空港に着いたらチェック・イン・カウンタ−には100メートルを優に超える大行列!正に一難去ってまた一難!
それでも何とか事なきをえて奇跡的に飛行機に搭乗。まずはクアラルンプールまで12時間という直行便なら成田に行ける長距離経由便の旅。このフライトも文字通り「拷問」。行きはストップ・オーバーの時間が幸か不幸か7時間もあったのでクアラルンプール市内観光を2、3時間する余裕がありましたが、今回は4時間という空港ラウンジで待つにはかったるいが片道30分強の市内まで足を運ぶにはリスキー過ぎるという実に微妙な長さ。とりあえずクアラルンプール空港のトランジットラウンジの免税店でお土産等を買って所定のサテライトまで行ってみるとななななななんと!成田行のフライトは3時間遅れ!最初から判っていれば前回の様にクアラルンプール市内まで足を延ばせたのに、と悔やみつつ結果的には12時間のフライトの後、空港にて7時間も足止めを食らう羽目に。
その後約7時間かけて成田空港に着陸したのは離着陸規制時間ギリギリの10時数分前(空港近辺の住民を考慮して成田空港は10時以降は発着陸出来ないのです。なのでもし飛行機があと数分遅れていたら…….ウーム、考えたくもありません)。しかもギリギリの時間だというのに日本の税関員は執拗に厳しく、結局スーツケースを開ける羽目に。今回色々な国の空港の税関を通りましたがこんなのは初めてです。しかも最終電車すら危うい時間だというのになんとも粋ぢゃなひこの計らい。この人間性の希薄さに怒りを通り越して悲しくなりました。お陰さまでJRは終電終了。リムジンバスで新宿に行こうと並んでいたら僕の前の人で「今晩の新宿行リムジンバスは全て満席となりましたぁぁ〜」という無情の一声。結局唯一の交通手段である京成の普通電車にて日暮里まで行く羽目に。ま、これが一番安いから良いんですけどネ。
そんな訳で7月11日未明に出発してから約2ヶ月半ぶりに帝都に戻った時、時計は真夜中の12時を回っておりました〜
結局巴里を出てから30時間以上経過していました……..
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この79日間で訪れたのは’美と快楽主義の仏蘭西’、’触ってヤケドな伊太利亜’、’異次元空間スロバキア’、’モナムールなオーストリア’、’マヌケ美が眩しいハンガリー’、’我が前世の故郷英国’、’妙に気が合った独逸’、’とりあえず阿蘭陀’、’浪漫紀行な白耳義’の欧州9ヶ国。中にはスロバキアや阿蘭陀のように駆け足で通り過ぎただけの場所もありましたが、今こうして自宅の机で各国の名前をタイプするだけで呼吸困難になりそうなくらい目眩を覚える土地ばかり也。
今回のGrand Tourが結果として僕に何をもたらしてくれたかというとこういう事なのです;
魂のダイエット - 3ヶ月で魂を減量しませう!
心が凄く軽くなりました。だから全てのものがよりハッキリと見えます。自分にとって本当に大事なものも以前よりよく判ります、ていうかもっと正確に言うと以前より「大事なもの」が圧倒的に減りました。そして前はあんなに嫌いだった東京の通勤電車でさえ今のところ楽しく乗れています。「グッとくるもの」ってわざわざ「名所」なんて行かなくても実はとっても身近なところに沢山あるんですね。
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皆さん「タイムボカン」って覚えていますか?僕子供の頃よく観ていのですが、たしか最終回は色々な時代を旅しながら探していた「ダイナモンド」が実は現在の自分たちの家のすぐそばにあった事が判明した、というオチだったと記憶しています。これってちょっと素敵なお話だなってふと思いました。
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自分が生き残る為に必要なもの全てが小さなスーツケースで完結してしまうという簡潔な生き方こそ「自由」へ一歩近づく事なのだと悟った時、自分の精神が確実に別の次元に移行していったと自信を持って言えます。しなやかになったというかヌケが良くなったというか…..
旅(若しくは人生)において究極的には「名所巡り」とか「食べ物」なんてどうでもいいんです(とは言っても「究極的に大事でない=全く大事でない」という訳ではないですよ。美味しいものは大好きです)。(少なくとも僕にとって)一番大事なのは「人」でした。今回の旅では多くの芸術家や魂の純度の高い方々と時間を過ごさせて頂き、いい事悪い事(←同義語)色々やりました。単に自分が幸運だったのかもしれません。或は全ての責任や拘束から解き放たれたばかりの状態にあったせいでいろいろな事象が「グッと」きただけなのかもしれません。元々楽観的な上に躁状態が重なって眼に入って来る何もかもがハレーションを起こしていたのかも…….以上全て認めます。
でもジョン・刑事もとい形而もとい啓示もといケイジもいみじくも語っていた様に;
I have nothing to say
(言うべき事は何もない)
But I’m saying it
(しかし私は今"それ"を語っている)
That is poetry
(これぞ「詩」也)
なんかとりとめがなくなってきました。「ネットに上げる文章にしては長過ぎる」といつもお叱りの言葉を頂いております故、今回はこの辺で自粛させていただきます。
ダイエット直後だから言えるのかもしれませんがお腹の周りの脂肪を気にするよりまずは魂の周りの脂肪に気をつけたいものでございます。
乱文誠に申し訳ございませんでした〜


