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●西方見聞録其乃伍: 見つかった ? ‘終わりなき時間’

July 24, 2005

ここはスペインとの国境にほど近い町、パピニョン。フランス人のお友達で一緒にJAPレーベルの運営をしているFranckの(元エール・フランスのスッチーという見目麗しい)ママと87歳なのにドファンキーで元気一杯の可愛いお婆ちゃんが住んでいます。ご覧のように連日のピーカン空、正に絵葉書のような地中海リゾート・バイブ溢れる場所です。

南仏でよく皆様が飲むのがパスティス (Pastis) と呼ばれるアルコール飲料。日本ではペルノやリカルドなんかが有名だと思いますが、実はかなり色々な種類があるのです。こちらに来てからは連日お昼前からこのパスティスをグラスに氷を浮かべて飲んでおります。

そして毎食事時は日本のお茶感覚で必ずワイン。この辺の習慣には文化というファサードの遥か彼方に流れる悠久の時を感じます。そしてその合間をぬってこのグリッター度数の高い地中海を眼下にXXXXでパッキパキになって「ま、いっか」のつぶやきつつ日没を見つめるという毎日。

見つかった
何が?
‘終わりなき時間’
それは海と手を取り合って歩き去って行く太陽….

A. Rimbaud

そんな訳でお陰さまでご覧のとおり至って元気に連日「見えないものが見え、聞こえない者が聞こえ、手で触れられないものを感じられる偉大なる病人/賢者」になるべくプチ’全感覚の論理的錯乱’を実践しておりますです、はい。

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●西方見聞録其乃四: アヴィニョンの女たち

July 19, 2005

ここ数日プロヴァンス地方にあるあのドイツの伝説的バンド、CAN のIrmin Schmidt師のお宅に御邪魔しております。CANといえば僕がわざわざ語るまでもなく現代のロックはおろか音楽全般に多大なる影響を与えたあまりにも偉大なるバンド。仲の良いプロデューサー兼DJの友人KUMO a.k.a. Jono PodmoreがIrminと一緒にMasters of Confusionというユニットを組んでいる他、Irminの娘さんと結婚し実質的に親子の関係でもある為、その縁で色々仲良くさせていただいているのです。
(http://www.spoonrecords.com/)

んで去る7月17日日曜日の夜Irminと一緒に現在ストリート・シアター・フィスティヴァルの真っただ中にあるアヴィニョンへ前衛的舞台を観に行きました。アヴィニョンは12, 3世紀頃バチカンから分離した法王庁があって、この舞台はアヴィニョンの旧法王庁の中庭で行われたのでとにかく場所が凄かったです。Irminも「舞台の内容はともあれその場所を観るだけでも価値がある」と言っていました。

(http://www.fucine.com/network/fucinemute/core/index.php?url=redir.php?articleid=1239)
(http://fr.news.yahoo.com/050707/202/4hr3j.html) 。

でくだんの劇はJan Fabreの'Je suis sang (I am blood)' その内容は無修正総天然色というべきミもフタもない生まれたままの姿でBloodbath的な狂気を表現するというもの。一糸纏わぬ姿でポーズをとるダンサー達は正に「アヴィニョンの女たち」そのものです。(因にオリジナルの「アヴィニョンの女たち」はピカソが売春宿で描いたスケッチを元にかなりデフォルメ&修正(?)されて完成したものですが、法王庁があった頃のアヴィニョンには約8,000人の女郎さんがいらっしゃったそうでこれは男性市民7人当たり一人というもの凄い数字になるらしいです。正に聖俗統合された中世の城壁都市だったみたいですね〜)

「私は血」視覚的には結構面白い所も多々ありました。Irminはそこで表現されている「哲学が幼稚すぎる」という事であまりお気に召さなかった模様。その後夜中の12時過ぎ迄町の広場にある野外カフェでサクッと一杯ひっかけました。写真はその時撮ったものです。

夜中の一時過ぎても人の減る気配がないアヴィニョンの街角。南仏の夏の夜空の下で飲む冷たいビールは喉を潤した後、魂まで到達して洗浄してくれるような気がいたしました。

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●西方見聞録其乃参: 現代芸術の桃源郷

July 15, 2005

革命記念日の翌日ピーカン空の下、巴里にある現代芸術の桃源郷、Centre Pompidouに行きました。御化粧直しがされていて以前見た時とは印象が若干異なっています。建立された70年代当時は時代を反映して原色を使いまくったカンディンスキーチックな印象でしたが、今回は若干色数を押さえてデザイン性の高いミレニアムな感じに仕上がっています。アートスクールとかデザイン学校では後者の方がいい点取れそうですが、個人的にはデザイナーの意図が丸見えでなんかイマイチ。以前の方が「何考えてこんなにしたんだ?」というセトギワ感があって良かったですね。

この「セトギワ感」、今の僕のテーマです。これがない自己表現には「全く」興味は持てません。自己表現するのは知的生命体として誰もが必要としている事ですし、ある意味我々全員に与えられている権利です。でもこれを「芸術家」として実践し、人からお金を盗るのであればやはりきちんと責任もってユーザーに全感覚の論理的錯乱をさせなければいけません。無意識過剰にこれを実践してはじめて生まれるかもしれないこの「セトギワ感」、判る人にしか判りにくいものですがそこで諦めていては芸術家/表現者としては進歩しません。

因にこの現代芸術のガンダーラ、ポンピドゥーセンターでD-DAY - design todayという展示を見ていたら映像ブースより聞き覚えのある声が....ふらりと入ってみるとUleshkaと遼さんのインタビューでした。二人の映像作品も展示されており、更に別の友人の作品もあったりして

「本当にここは巴里なのか?」

しかもその日の夜ホテルでテレビをつけたら東京のデザイナーの知り合いが出てるではありませんか!

「本当にここは巴里なのか?」

その後色々な事に思いを馳せながらテレビをつけっぱなしにしていたら何とBjork降臨!半分眠りかけていた脳細胞が目を覚ますようなとても啓発されるインタビューでした。

くだんのガンダーラでみた膨大な作品群の中で正直人生が変わる程素晴らしいと思ったのは約2点でした。東京におけるこの手の展示で素晴らしい作品に巡り会える確率を考えると2点というのはそれでもさすが現代芸術の桃源郷ならではの数字なのですが、そこにあるどの作品よりも感動したのはポンピドゥー土産店にあった、あのジョンレノンに「世界で一番カッコいい人物」、そしてサルトルに「20世紀で最も完成された人物」と言わしめた、反体制的に言えば「革命家」、体制的に言えば「テロリスト」(←これを同義語辞典に載せれば世界恒久平和に一歩前進すると考えるのは僕だけでしょうか?)、チェゲバラの写真をあしらった雑記帳。あの有名なチェの写真の下にこんな文句が書いてありました;

Let's be realistic. Try the impossible.

ちょっとナイキっぽいですがチェのキャラに助けられて心の中に不思議な残響音を残す言葉でした。

Bjorkのインタビューを見終わったら外は既に明るくなっています。これから少し寝てリヨン駅から南仏へと旅立ちます〜

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●西方見聞録其乃弐: 革命記念日

July 14, 2005

1789年7月14日、多くの政治犯が投獄され絶対王政による圧政の象徴とされていたバスティーユ牢獄が陥落。この日はフランス革命記念日として毎年大きな祝賀祭が巴里で催されています。僕も何人かの友人とエッフェル塔の花火を一目見ようと車で向かいましたが道路が鬼のように混雑していて途中で挫折。結局遠くに上がる花火をチョロリと見ておしまい。これが僕の2005年革命記念日でした。

その後、巴里の北東にある運河のほとりのカフェで夜中の1時にディナー&ワイン。この時は知る由もなかったのですが、(恐らく第二次世界大戦、というより人類史上最大規模の地上戦が行われた場所を記念して)スターリングラードと呼ばれているこの地区、巴里で最も危険なゲットーらしくほぼ毎晩だれかが路上で射殺されたりしているそうです(そういう意味では実は言い得て妙なネ〜ミングかも)。CANのIrmin師も「僕もあそこは夜には足を踏み入れたくないね」と仰っておりました。そんな事を念頭に真夜中に平和ボケ?スマイルの記念写真を見ていただくとよりいっそう感慨深いものがあるやもしれません。

でもサブカルチャーとか繁殖していそうなエキサイティングな場所でした。もし巴里に将来移住したらこの辺に住みたいな、なんてマジに考えています。しかし新しい文化の胎児を宿す街はどこも「怒り」、「恨み」、「呪い」等々を内包した妖気に満ちていますよねぇ。純粋な藝術運動はクーラーの効いた会議室で「差別化」とか「お洒落」、「インタラクティヴ」、「判りやすく」なんて言葉が飛び交う広告代理店のマーケッティング・ストラテジー・ミーティングからは生まれてこない、という事だけは確かなのではないでしょうか。

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●西方見聞録其乃壱: 花の都便り

July 13, 2005

前日ほぼ徹夜してそのまま27時間かけて花の都巴里のシャンゼリゼ通りに到着いたしました。はっきり言って生命レベルはかなり低いですが、旅行中によくある不思議なテンションの高さでバッテリー残量は0%なのに動いてる?!みたいな感じであります。

丁度20年前の今頃巴里でフランス語の学校に行っていました(Live Aidの直後でしたね〜)が、途中でドロップアウトして昼間はよくシャンゼリゼとかで暇をつぶして夜にバイトに行っていました。プチデジャヴ状態です。イヤホンしていますが聴いているのはMaximo Park & The Libertinesです。この日も20年前と同じくシャンゼリゼを意味もなく行ったり来たりしながら今も同じ所にあるFNACというフランスのCD屋さんに立ち寄ったりして「巴里の憂鬱」を楽しみました〜